第28章 ダーレイグループのプロジェクト責任者

有岡里穂は、彼が切り出すことにさして驚かなかった。小さく頷き、表情を引き締める。

「……言って」

阿部蓮太郎はすぐには口を開かない。視線を落としたままタブレットの画面を指先で二度、軽く叩いた。すると、ある会社の資料が表示される。

彼はそれを有岡里穂へ差し出し、低く告げた。

「ダーレイグループ。阿部グループが最近買収した小さな会社だ。先は明るいが、社内の対立がひどい」

有岡里穂はタブレットを受け取り、白い指先でさらりと画面を滑らせる。ダーレイグループの写真と概要が、目の前を流れていった。

生活に密着したスマートホーム製品を扱うスタートアップ。今どき珍しくはない分野だが、ダーレイがデ...

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